10月14日(東京スタジアム)日本代表がブラジルに史上初勝利(通算1勝2分11敗)。前半0–2から後半“19分で3発”の逆転劇でした。世界・韓国・ブラジルの主要メディアは何に注目し、誰を評価したのか——
🔹試合終了🔹️
— サッカー日本代表 🇯🇵 (@jfa_samuraiblue) October 14, 2025
🏆キリンチャレンジカップ2025
🇯🇵SAMURAI BLUE 3-2 ブラジル代表🇧🇷
⌚️19:30
📺テレビ朝日系列にて全国生中継
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試合のながれ
前半はブラジルのテンポに押され、26分パウロ・エンヒキ、32分ガブリエウ・マルティネッリに決められ0–2。後半、日本はラインを上げたハイプレスと右サイドの推進力で主導権を奪回。52分に南野が反撃の狼煙、62分に中村の同点弾、71分に上田のヘッドで逆転。観衆は約4万4920人。ポゼッションは日本32.8%ながら、狙いの明確な圧力で勝機をこじ開けました。
韓国メディアの反応(“5–0の直後に3–2”…複雑な悔しさ)

韓国はブラジルに0–5。一方、日本はブラジルに3–2。この“明暗の対比”が強く出ており、悔しさ・驚き・警戒が入り混じったトーンです。
NATE(ポータル/スポーツ)
「韓国に5–0のブラジルを、日本が0–2から逆転」と真正面の対比で構成。「韓日で相手を取り替えたような結果」という言い回しに、もどかしさがにじむ。
OSEN(配信各紙含む)
現地の熱気を伝えつつ、日本の逆転劇を「しびれる展開」と表現。「森保監督が客席の空気を青に変えた」趣旨の描写でスタジアムの劇的な変化を強調。直前に韓国が大敗していた文脈が、悔しさを増幅。
スポーツ韓国/Daum配信
「実力差ではなく試合運びの差」を主張。「切り替えの速さとミスの少なさ」で日本を称え、「韓国も3バックだったのに…」と戦術比較の悔しさをにじませる。
朝鮮Biz(チョソン・ビズ)
「1.5軍のブラジル? それでも日本は勝った」と、ローテ議論を踏まえつつも勝敗の事実の重さを整理。羨望まじりの警戒が透ける。
(比較記事の視点)
「韓日ともに3バック採用でも日本の方が良かった」という冷静な対比も。韓国0–5→日本3–2の“心理的ダメージ”を正面から扱う書きぶり。
<まとめ>
「0–5の直後に3–2」という現実の痛みを受け止めながら、戦術・強度・切り替えの質の差を分析。悔しさと敬意が同居する論調が目立ちます。
ブラジル・メディアの反応(落胆から自省モードへ)
🇧🇷 日本に3-2で逆転負けしたブラジル代表で、決定的なミスを犯したクルゼイロ所属DFファブリシオ・ブルーノが涙。… pic.twitter.com/3NvfVTQXU8
— アルベルト島野 (@Albelt_Shimano) October 14, 2025
後半の“崩れ”の評価は各社ほぼ一致——「メンタルの急降下」「守備の個人ミス」「試合運びの拙さ」。総じて「勝っていたはずの試合を落とした」という悔恨がにじみます。
Globo(ge)
守備の“凡ミス連鎖”と、失点後に主導権を取り返せなかった後半の受け身を主要論点に整理。「準備期間の収穫が日本の圧にかき消された」という自己検証の色合いが強く、選手採点も最終ラインに厳しめ。
Globo(国際反応まとめ)
海外紙の「デザストレ(惨事)」「スキャンダル級」といった強い言葉を拾い上げ、“世界的にいただけない敗戦”として受け止められている現実を可視化。国内の落胆を自ら増幅する構図に。
CNN Brasil
ライブ更新と会見整理で、「先制後のメンタル低下」を繰り返し指摘。ローテーションや反応の遅れが議論の的となり、「最大の誤りは失点後の心の落ち込み」という指揮官の趣旨を強調。
Agência Brasil(EBC)
見出しから「歴史的な敗戦」を明確化。前半2–0→後半逆転の構図を淡々と記述しつつ、W杯準備に向けた“警報”というトーンで問題提起。
Reuters
速報と会見両面で、対日本“初黒星”と“メンタル崩壊”をキーワード化。韓国戦5–0直後という落差が、国内世論の苛立ちを増幅させたと描く。
TNT Sports Brasil/各種SNS
「後半のアパガォン(停電=急失速)」という表現が拡散。3失点目の対応は“痛恨”として検証の矢面に。悔しさと自己批判が入り混じる空気感。
Diario AS(国際紙のブラジル評)
「守備のミスがすべてを壊した」との評価。交代や配置調整でも流れを戻せなかった点を厳しく言及。こうした国際論調をブラジル国内メディアが引用する“痛手の大きさ”も象徴的。
<まとめ>
「勝っていたのに負けた」悔恨から、「どこが壊れたのか」を直視する自省モードへ。特に1失点目以降の“心の折れ”が最大論点となっています。
ヨーロッパ・メディアの反応(驚きと「歴史的勝利」の評価が中心)
欧州主要メディアはおしなべて「歴史的」「逆転(remontada)」を強調。前半はブラジル優勢、後半は“崩壊”。その転換点をミスの連鎖とメンタルの失速として描き、同時に日本の強度と切り替えの質を高く評価しています。
まとめ

世界の受け止めははっきり三層でした。ブラジルは「デザストレ/アパガォン(急失速)」と自省一色、韓国は「同じ5バックなのに…」「1.5軍のブラジル」と悔しさと警戒が混ざり、欧州は「歴史的勝利」「remontada」の語で称賛と分析を重ねました。共通項はひとつ——日本の“後半の圧と切り替え”が勝負を決めたという認識です。
個人面では、南野―中村―上田の決定力と、途中投入の伊東が右から試合を前へ押し出したことが各国の論調を貫く評価軸になりました。セットプレーの一撃を含め、狙いの共有+強度の持続が“偶然ではない”ことの証左として語られています。
同時に、課題も示されています。前半に押し込まれた時間帯の背後/ハーフスペース管理、ビハインドに至るまでの試合運び、リード後のゲームコントロール。ここを磨けるかが“歴史的勝利の再現性”を担保します。
要するに——「史実としての3–2」は確定し、「物語としての3–2」は世界に刻まれました。次は、同じ強度と切り替えを当たり前に出し続けることで、この夜を“通過点”に変える番です。
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