【久保建英・弟】久保瑛史(くぼ・えいじ)とは何者か――プロフィール、経歴、プレースタイル、C大阪での未来図まで

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サマリー(要点3行)

  • 2007年生まれ、MF(ボランチ/インサイドハーフ)。横浜F・マリノスの下部組織からスペインのレアル・ソシエダのユースを経て、2025年夏にセレッソ大阪へ加入。
  • 武器は“試合を整える配球力”。首振り→方向付けのファーストタッチ、レンジのある斜め付け、前進パスでテンポを作るゲームメイク型。
  • C大阪では4-2-3-1の2ボランチ、あるいは4-3-3の右インサイドで真価。前線のタレントへ“刺す”縦パスを通し、試合の重心を前に押し上げ

久保瑛史プレー集



リード:なぜいま“もう一人の久保”なのか

兄・建英の眩さが語られるほど、弟は比較の相手になりやすい。しかし久保瑛史が注目される理由は、“血筋”に留まらない。試合を落ち着かせ、味方が前を向ける角度で受け、前進パスを通す。チームの呼吸を整える役割は、結果の陰で価値が過小評価されやすいが、勝つための再現性という観点で不可欠だ。若くしてこの“整える能力”を土台に、舞台をスペインから日本へ。C大阪で、彼は自分の色をもっとも出しやすい環境を手に入れた。


プロフィール

  • 氏名:久保 瑛史(くぼ えいじ)
  • 生年月日:2007年9月2日
  • 出身:神奈川県川崎市麻生区
  • 身長/体重:180cm/73kg(公称)
  • 利き足:右
  • ポジション:CM(インサイドハーフ)/DM(ボランチ)
  • 主な所属:横浜F・マリノスU-12 → 横浜F・マリノスU-15 → レアル・ソシエダ(カデーテ→フベニールB/U-19)→ セレッソ大阪(2025年加入)
  • 背番号:26
  • 兄:久保建英(レアル・ソシエダ)

ポイント:身長180cmのレンジ、右利きの配球型。周辺状況の把握(首振り)と方向付けの初速判断に秀で、ワンタッチから前向きへ持ち出すテンポ感が魅力。


幼少期と基礎形成:横浜F・マリノスU-12/U-15で磨いた「整える力」

日本での育成年代は横浜F・マリノスのプライマリー~ジュニアユースで過ごした。ここで身についたのが、受け手・出し手としての位置取りのセンスと、周囲のテンポを乱さないボール扱いの丁寧さだ。いわゆる“飛び道具”のドリブルやロングシュートではなく、基礎技術の確実性を積み上げるタイプ。試合を観る視点は早くから成熟しており、ピッチ上の「交通整理役」としての片鱗を見せていた。

コーチの視点:インサイドハーフやボランチで“顔を出す位置”が良く、背後のケアと前進の両立を意識できる。ミスを恐れず前へ通す胆力も持つ。


スペインでの武者修行:レアル・ソシエダのカデーテ~フベニールB

兄・建英がスペインで地位を築く過程と軌を一にして、瑛史もレアル・ソシエダの下部組織へ。カデーテ(U-16)からフベニールB(U-19)まで、バスクの強度とスピードを浴びるように経験した。特に中盤の圧迫が激しいスペインのユース環境は、ワンタッチの精度と次を見据えたファーストタッチを磨く絶好の場。ボールを持ちすぎず、最短で前を向く“省エネ”の判断速度はここで加速した。

  • 学んだこと
    • 奪われた直後の5秒間の反応速度(カウンタープレス/即撤退)
    • フィジカル接触の受け方(体の向き・腕の使い方・先に当てる)
    • ライン間で消える/現れるタイミング(相手の視野外を取る)

日本への帰還と決断:セレッソ大阪を選んだ理由

2025年夏、セレッソ大阪への加入を決断。Jクラブの中でもC大阪は中盤タレントの輩出に実績があり、若手に“リアルな競争”を用意できるチーム文化が根付いている。背番号26を背負い、まずは強度の壁に慣れるところから。短時間の出場でも、テンポを前に向ける前進パスや、相手の勢いをいなす一拍の溜めで存在感を示したい。


プレースタイル徹底分析

ボール保持(ビルドアップ/前進/最終局面)

  • ビルドアップ:最終ラインの脇やアンカー脇で顔を出す角度が良い。受ける前に首を振る→体の向きで前を向く流れが滑らか。両CB~SB~IHの三角形の頂点になり、2人目・3人目を動かすパスの前提条件を整える。
  • 前進:レンジのある斜めの通しと、逆サイドへのスイッチ。内から外、外から内へ重心をずらす配球で相手FWの前からくるプレッシャーを外す。テンポ変化を作るワンタッチが持ち味。
  • 最終局面:自らPA侵入して撃つというより、最終3分の1で加速するワンツーや、裏を狙うスルーパスで“チャンスを演出”するタイプ。

守備(予測・カバーリング/トランジション)

  • 予測:球際で“刈る”より、先回りのポジショニングが光る。2列目のこぼれ球やセカンドに強く、二次攻撃の芽を摘むズレ修正が得意。
  • カバーリング:SBやIHが食いついた背後にスッと落ちる。ラインコントロールに関与し、ネガトラ時に最短距離で危険を減らす角度を取れる。
  • トランジション:奪回直後の最初の一手で質が決まるタイプ。リスク管理と前進の両立を図る最適解の選択に価値がある。

フィジカル&メンタル(強度・継続性・勝負勘)

  • 強度:Jの当たりに慣れる過程は必要。ただし**接触前の準備(体の向き・踏み込み)**で不利を減らす術は持つ。
  • 継続性:90分の集中持続が次の壁。運動量の波を小さく保つ省エネの配球でカバー可能。
  • 勝負勘:スコアや時間帯でのリスク許容度の切り替えが上手い。無理をしない“冷静さ”が持ち味。

“兄・建英”との似て非なる部分

  • 起点の位置:兄=最終3分の1で違いを作るアタッカー。弟=中盤で試合を前へ回すレジスタ寄り。
  • プレーの質感:兄=“個で崩す”瞬間火力。弟=連結で崩す持続火力。
  • チームへの効能:兄=決定力局面打開。弟=再現性試合管理

C大阪での戦術適性と起用案

4-2-3-1(ダブルボランチ)

  • 役割:ビルドアップ出口/方向付け/前進パス。相方には“刈り取れる型”を置くと相互補完が成立。
  • 狙い筋:右IH的な挙動でハーフスペースの裏へ刺す。右SBの内外レーンの使い分けと相性が良い。

4-3-3(右インサイドハーフ)

  • 役割:アンカー脇の循環促進役サイドで味方がボールを保持している時、内側でもらって前を向き、DFの背後へ素早くパスまたは抜け出しで仕留める
  • 狙い筋:右WGが大外で幅取り→IHの縦関係ライン間を攻略。CFの足元/裏の両立を支える。

カップ戦でのスモールスタート カップ戦でのスモールスタート カップ戦でのスモールスタート

強度に慣れるまでは途中出場やカップ戦での実績づくりが現実的。短時間でもテンポ改善は目に見えやすく、序列上げの近道になる。


Q&A:読み方/背番号/ポジションほか

  • Q. 読み方は?くぼ・えいじ(瑛史=“えいじ”)
  • Q. 背番号は?26(C大阪)
  • Q. ポジションは?CM/DM(インサイドハーフ/ボランチ)。右利きの配球型。
  • Q. 兄との共通点は? → 首振りの多さ、状況判断の速さ。ただし、起点の位置と“勝たせ方”は異なる。

まとめ:線で試合をつなぐミッドフィールダー

久保瑛史は、派手なハイライトで語られるタイプではない。だが勝つための再現性という視点で、チームの“平均値”を底上げする力を持つ。受ける角度→前向きの初速→前進パス。この三段の矢が、C大阪の攻撃を一段押し上げる。プロキャリアの入り口に立った18歳。兄とは別の文脈で、“チームを強くする存在”へ。次の90分で、その予感は確信に変わるかもしれない。


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